①大腿四頭筋反回頭の癒着・滑走障害による痛み

 

 

病院で「変形性股関節症」や「その他の股関節疾患」と診断された方、
痛みの原因が、実はここで紹介する大腿四頭筋反回頭(だいたいしとうきんはんかいとう)の癒着・滑走障害であることが多いです。

 

大腿四頭筋反回頭の癒着・滑走障害が起こると、以下のような症状が出ます。
・股関節の前側が痛む。
・歩行時、足を着いた時にズキンと痛む。
・立っているだけで痛くなる。

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

まず、大腿四頭筋は人体で最も体積の大きい筋肉で、

骨盤、大腿骨から始まり、膝の下まで続きます。股関節を曲げたり、膝を伸ばす役割があります。

 

ここでお伝えをする大腿四頭筋反回頭とは、この大腿四頭筋が股関節に付く際に枝分かれした部分を指し、

大腿骨の上部(骨頭)に巻き付くような形で付着しているため、ここに負荷がかかることで股関節に痛みが出ます。

 

 

では、どのようにして股関節に痛みが出るのか。

 

そもそも股関節は、大腿骨の先端にあるボールの形をした①大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした➁臼蓋との組み合わせでできた、球(きゅう)関節と呼ばれる構造をしています。

筋肉や腱などで全体が覆われ、安定性を保ったまま色々な方向に動かすことが出来るのですが、それを可能にするためには受け皿となっている骨盤が安定した状態であることが必要になります。

 

 

その骨盤の安定には、実は、“中殿筋”というお尻の筋肉の働きが重要となるのです。

歩行の際の中殿筋の働きを説明しながら見ていきましょう。

 

 

人は歩行の際、左右の脚を交互に片脚立ちして地面を蹴ることで前に進むことが出来ます。

この時に中殿筋が働くことで、片脚立ちした時に骨盤が倒れるのを支え、骨盤を水平位に保ち、体が倒れず前に進むことが可能になるのです。

しかし、中殿筋が上手く使えていないと、(下図参照)例えば左脚で片脚立をした際に、右側の骨盤が下がってしまい左側の骨盤が上がってしまいバランスが崩れます。

この状態になると左側の股関節が内側に入ってしまうのです。

 

この股関節が内側に入ってしまう状態を「内転位加重(ないてんいかじゅう)」と呼び、この状態で動作を続けていると、

大腿骨頭に巻き付くように付着している大腿四頭筋反回頭は、引き伸ばされ重力がかかり、

そこに負荷がかかり続けることによって、大腿四頭筋反回頭は次第に固まり、癒着・滑走障害を起こし、股関節に痛みが出てしまうというわけです。

大腿直筋反回頭に対する土井治療院のアプローチ

 

今回のケースの股関節の痛みを改善するためには、

大腿四頭筋反回頭の癒着を剥がし、滑走できる状態を作ることが必要です。

 

そして、さらに再発させないためには中殿筋の機能を上げていくことも重要なポイントです。

 

したがって、当院が行うアプローチは以下の内容です。

 

1.鍼(はり)治療により自律神経のバランスを整える。

 

自律神経のバランスが崩れていると炎症が起きやすくなり、痛みの閾値(いきち)が下がり痛みを感じやすくなります。また、自律神経が乱れたままだと自分で治す力(自然治癒力)が低いため、いくら股関節にアプローチしても痛みがすぐに戻ってしまうので、鍼(はり)治療で自律神経のバランスを整え、治りやすい体を作っていきます。

 

 

2.大腿四頭筋反回頭の癒着を手技療法で剥がす。

 

大腿四頭筋反回頭の癒着を剥がすにはピンポイントで反回頭の癒着している部分に触れる必要があります。ただ単に股関節の前側をほぐすだけでは反回頭の癒着を剥がすことはできません。股関節周りの細かな解剖学の知識が頭に入っていないとおこなうことができない治療になります。

 

 

3.股関節周りの機能していない筋肉を活性化するため神経促通整体を行う。

 

上記で説明したように中殿筋が機能しなくなることが股関節の痛みを引き起こします。そもそも中殿筋の機能低下が起こる大きな要因は「神経の伝達異常」です。神経の伝達異常があると脳からの指令で本来100%筋肉に力が入るところ、50%の力しか入らない状態になります。つまり、脳・神経の問題であるため、いくら股関節患部に様々なアプローチをしても改善しません。

多くの整体院や整骨院は、股関節が悪いと股関節患部や骨盤周りしか治療しませんが、それでは根本改善にはつながりません。神経の伝達異常がある限り、歩けば痛みは再発してしまいます。当院では神経の伝達異常を改善する特殊な整体法により、股関節周りの筋肉に100%の力が入るようにしていきます。

4.大腿四頭筋反回頭(だいたいしとうきんはんかいとう)に直接鍼(はり)治療をする。

 

ほとんどの場合、手技療法で反回頭の癒着は剥がせますが、股癒着がかなり強い場合、手技療法では癒着が剝がれない場合があるため、患部に直接鍼治療をおこなっていきます。

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「大腿四頭筋反回頭の癒着」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院