⑤大腿神経関節枝癒着による痛み

 

 

一般的に病院では、股関節に痛みがあれば、レントゲンやMRIなどの画像所見を元に骨に異常がないか、または筋力に問題がないか確認し診断を下すことが殆どで

「神経の癒着」という診断はされません。

しかし、神経の癒着が起こると様々な症状が出てくるのです。

 

大腿神経関節枝の癒着がある場合、以下のような症状が出ます。

・股関節の前側または中の方が痛む感じがする。

・股関節を曲げたり、伸ばしたりしたときに痛む。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

 

大腿神経(だいたいしんんけい)は、腰から下肢(かし:足、脚部のこと)に向かっていく神経で、股関節を曲げたり、太ももの筋肉(大腿四頭筋)に力を入れるなどが主な役割でそのほかにも触覚や痛覚など感覚神経の働きも担っています。

 

下肢にいく大きな神経としては、坐骨神経もよく知られていますが、大腿神経が下肢前面を支配するのに対して、坐骨神経は下肢後面を支配している神経となります。

この大腿神経は腰から足先へ向かう中で、いくつも枝分かれをしていて、股関節にも「関節枝(かんせつし)」という枝を出しています。

 

 

大腿神経について、詳しく説明する前に

そもそも、体の中のあらゆる「神経」はどのような働きをしているのでしょうか。

 

ひとつは、脳からの指令を筋肉へと伝え、その指令を受け取った筋肉が働くことで、私たちは立ったり、座ったり、歩いたりすることが出来ます。

もうひとつは、体のどこかで刺激が加わると、その刺激を情報として脳へと伝え、例えば「痛い」「熱い」「何かを触っている」などの感覚を感じることが出来るのです。

 

そして、こうした神経の働きを守るため、神経の周りをLAFS(ラフス)という潤滑性脂肪膜(じゅんかつせいしぼうまく)が覆い保護しています。

神経はこのLAFSの中を、動きに合わせて数㎜、滑走していると言われています。

しかし、このLAFSと神経が癒着(ゆちゃく:くっついてしまうこと)を起こすことで様々な症状が出てくるのです。

 

「神経の癒着」という言葉は聞きなれない方も多いと思いますが、

神経が癒着を起こすと、筋肉は硬くなり、筋膜にも痛みが出ます。その結果、血液の循環は悪くなり、関節も硬くなり歪んでくることが、最新の整形医学でわかっています。

 

 

では、なぜ神経の癒着が起こるのか。

それは、以下のことが主な原因として挙げられます。

 

普段の生活で

・ポケットに物を入れたり、ベルトをきつく締めたりするなど、神経の走行している部分が圧迫される状態が続く。

・運動不足。

・運動しているが、同じ動きばかりを繰り返す。

・デスクワークや運転、電車や飛行機などの移動で座っている時間が長く同じ姿勢でいることが多い。

 

こうした習慣があると、神経の癒着が起こりやすくなるのです。

 

 

特に、昔の人は移動する際も、仕事で作業をする際も、常に体を動かしていました。

しかし、現代人は移動も車や電車などを利用し、デスクワークが中心で同じ姿勢でいることが多く、屈むなど股関節を90°以上曲げる動きをする機会が減ったため、股関節の動きが減ってしまいました。

 

先程の説明の中でも、神経が動きに合わせて滑走するとお伝えしましたが、動作が減ったことでこの滑走する動きも減ってしまうため、股関節での癒着が起きやすくなってしまうのです。

 

 

 

「大腿神経関節枝の癒着」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

1.鍼治療(はりちりょう)により自律神経のバランスを整える。

 

自律神経のバランスが崩れていると体全体の筋肉は緊張しやすく、痛みも感じやすくなります。また、自分で治す力(自然治癒力)も下がります。自律神経のバランスが乱れたまま股関節周りにいくらアプローチしても、なかなか痛みが改善しなかったり、また再発を繰り返します。

まずは、鍼治療(はりちりょう)による全身の自律神経バランスを整え、治りやすい体を作っていきます。

 

 

2.癒着を起こしている大腿神経関節枝の癒着を剥がす整体を行う。

 

大腿神経関節枝は股関節の奥の方を走る神経であるため、しっかりとした解剖学の知識と触診力が非常に重要になってきます。

つまり、一般の方が揉むなどの行為をしても大腿神経の関節枝の癒着を取ることはできません。また、治療家であっても股関節周辺の細かな解剖の知識がないと、関節枝の癒着部位を的確に捉えることは難しいのです。

土井治療院では、股関節周囲の細かな解剖学の知識と触診力を磨いているため、癒着している部位をピンポイントで捉え、特殊な整体法で神経の癒着を剥がすことができるのです。

 

3.神経の働きを良くする整体を行う。

 

神経が癒着を起こすと、その周辺の筋肉の筋出力は下がります(力が入りづらくなる)。

その結果、さらに股関節に負担がかかるという悪循環を招きます。そして、その状態が数ヶ月続くと脳がその状態を記憶してしまうのです。

そうなると、仮に関節枝の癒着を剥がしたとしても、筋肉に力の入らない状態が記憶されているため、股関節に負担がかかり続けます。結果、股関節の痛みが再発してしまうというわけです。

「治療してもらった後は楽だけど、数日経つとに戻ってしまう。」というのは、このように脳が記憶していることが関係しているのです。

 

当院では神経を活性化する特殊な整体法を行うことで、脳が記憶している筋肉に力が入りづらい状態を改善し、股関節に負担のかからない状態を作り、痛みの再発を予防します。

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「大腿神経関節枝癒着」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院