⑧伸展モーメントによる大内転筋伸張ストレスによる痛み

 

 

「伸展モーメント(しんてんもーめんと)」という言葉を聞いても、多くの方は何のことを言っているかわからないと思います。

伸展モーメントとは、関節が引き伸ばされる動きのことを言います。

股関節が引き伸ばされたことで、大内転筋(だいないてんきん)という股関節の内側にある筋肉が、過緊張を起こし痛みへと繋がっていくのです。

 

伸展モーメントによる大内転筋伸張ストレスがあると、以下のような症状が出ます。

・股関節の内側が痛む。

・立っているだけで股関節が痛くなる。

・歩行時、蹴り出しの時に痛む。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

大内転筋は、骨盤底(こつばんてい)の内側から始まり、大腿骨(だいたいこつ)の後面に付く筋肉で、腿の内側を走行。

股関節を内側に曲げ、脚を体の中心に引き寄せる内転動作(ないてんどうさ)に関連します。

また、大内転筋は股関節の体の前面から後面にいく筋肉のため、先に挙げた脚の内転動作以外にも、骨盤を支える・立つ姿勢を保つといった働きもしています。

 

しかし、骨盤が後傾すると体が後ろに倒れそうになり、股関節の後ろ側の大内転筋が引き伸ばされます。

この状態で立つ・歩く動作を行うとさらに負荷がかかり、股関節が後ろ側に引き伸ばされる。

この動きが伸展モーメントです。

 

 

伸展モーメントが起こると、体が後ろに倒れそうになるのを支えるために大内転筋が緊張。

その結果、股関節の内側に付く大内転筋に伸張ストレスがかかり股関節の内側が痛くなるのです。

 

 

では、なぜ骨盤後傾が起きるのか。

 

それには、日常生活の動きや習慣が大きく関わっています。

 

・座っている時間が長い。

・座り方が悪い。(背中にもたれかかって座る。)

・デスクワーク中心で、同じ姿勢でずっとパソコンを見ている。

・携帯電話をよくいじる。

 

こうした生活習慣があると、背中、腰が丸まりやすく、徐々に骨盤は後傾していくのです。

 

 

 

「伸展モーメントによる大内転筋伸長ストレス」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

このパターンの股関節の痛みを改善するためには、伸展モーメントが起こらないよう骨盤後傾を正し、大内転筋が緊張しなくても良い状態に持っていくことが重要となります。

 

1.自律神経のバランスを整えるため鍼治療を行う。

 

自律神経のバランスが崩れていると、以下のことが起こります。

・痛みの閾値が下がり痛みに敏感になる

・炎症反応は起きやすく慢性炎症を起こす

・筋肉は過緊張を起す。

 

この状態の体はいわゆる「自然治癒力が落ちている」状態です。この状態のまま股関節周りの治療をしても「治療をした後は数日良いがすぐに戻ってしまう」といったように再発しやすくなります。当院では再発防止、早期回復を図るためにまずは針治療により自律神経のバランスを整え、治りやすい体づくりをしていきます。

 

 

2.伸展モーメントがかからないようにトニックマッスル(姿勢維持筋)を活性する神経促通整体を行う。

 

姿勢が悪くなってしまう人は、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の中にある姿勢を維持する筋肉「トニックマッスル」が働いていないことが原因です。

トニックマッスルは無意識下で働く筋肉であるため、ただ単に背筋の筋トレをしても活性することはできません。トニックマッスルを活性するには脳と筋肉をつなぐ神経を活性する必要があります。

土井治療院では神経の伝達を良くする特殊な整体法を用いて、トニックマッスルの活性を図り、伸展モーメントが起こらないような体づくりをしていきます。

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「伸展モーメントによる大内転筋伸長ストレス」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院