⑫股関節内転位(こかんせつないてんい)による股関節上部組織の牽引(けんいん)ストレスによる痛み

 

 

「股関節内転位」とは股関節が内側に入り、股関節の付け根が引き伸ばされる状態のことを言います。この時に、股関節の上部組織に牽引ストレスがかかることで痛みが出てくるのです。

 

 

ここでお伝えする、

「股関節の上部組織」とは、関節を保護するために周りを包む「関節包」や、股関節がはずれないよう骨と骨をつないでいる「靭帯」のことを指します。

 

股関節内転位による股関節上部組織の牽引ストレスがかかると、以下のような症状が出ます。

・歩行時、足を着いた時に・股関節の外側がズキンと痛む。

・歩く距離が増えれば増えるほど痛みが増す。

・正しく歩こうとしても左右に動揺してしまう。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

まずは、股関節の構造について説明していきます。

股関節は、大腿骨の先端にあるボールの形をした①大腿骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした➁臼蓋(きゅうがい)との組み合わせでできた、球(きゅう)関節と呼ばれる構造をしています。

この構造は、筋肉や腱などで全体が覆われ、安定性を保ったまま色々な方向に動かすことが出来るのですが、それを可能にするためには受け皿となっている骨盤が安定した状態であることが必要になります。

 

 

その骨盤の安定には、実は、“中殿筋”というお尻の筋肉の働きが大きく関係しています。

歩行の際の中殿筋の働きを説明しながら見ていきましょう。

 

 

人は歩行の際、左右の脚を交互に片脚立ちして地面を蹴ることで前に進むことが出来ます。

この時に中殿筋が働くことで、片脚立ちした時に骨盤が倒れるのを支え、骨盤を水平位に保つことで、体が倒れず前に進むことが可能になるのです。

 

 

しかし、中殿筋が上手く使えていない場合、(右図参照)例えば左脚で片脚立をした際に、右側の骨盤が下がってしまうことで左側の骨盤が上がりバランスが崩れます。

この状態になると左側の股関節が内側に入ってしまうのです。

 

この股関節が内側に入ってしまう状態を「股関節内転位」と呼び、この状態で動作を続けていると、

大腿骨頭と臼蓋の間に付着している股関節上部組織は、引き伸ばされ重力がかかり続けることによって、負担が増え、次第に股関節に痛みが出てしまうというわけです。

 

 

「股関節内転位による股関節上部組織の牽引ストレス対する土井治療院のアプローチ」

 

今回のケースの股関節の痛みを改善するためには、

中殿筋の機能を上げ、股関節が内側に入らないようにしていくことが重要となります。

 

したがって、当院が行うアプローチは以下の内容です。

 

1.鍼治療により自律神経のバランスを整える

現代人は自律神経のバランスが崩れている方が多く、ほとんどの方が「交感神経が過緊張」の状態です。交感神経が過緊張になると後部連鎖筋(こうぶれんさきん)という、主に体の後ろ側に付く筋肉が過緊張を起こし、中殿筋が弱化してきます。中殿筋が弱いからといっていくら筋トレをしても、自律神経のバランスを整えない限り、弱化した中殿筋にひたすら負荷をかけることになるため、却って股関節痛を悪化させることになります。

そのため、まずは鍼治療で自律神経のバランスを整え、中殿筋が働きやすい環境を作っていきます。

 

2.股関節周辺の筋肉バランスを整える特殊な整体を行う

中殿筋が弱化していると、大腿四頭筋や大腿筋膜張筋は過緊張を起こし、小殿筋や大腰筋、内転筋群も弱化してきます。このように股関節周囲にはたくさんの筋肉が付着しますが、全ての筋肉バランスが整い協調的に働くことが股関節痛の改善には非常に重要です。そのため、過緊張を起こしている筋肉を緩め、弱化している筋肉を活性化する特殊な整体法をおこなうことで股関節周囲の筋肉が協調して働くようになり、痛み改善、再発予防につながります。

 

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「股関節内転位による股関節上部組織の牽引ストレス」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院