「オスグッドの痛みにはバンドやサポーターを」と勧められることは多いですが、結論からいうと長期間使用しても痛みが改善しない、あるいは運動を再開するとすぐに痛みが戻ってしまうというケースは少なくありません。
これは、バンドやサポーターが症状を一時的に緩和する「対症療法」に過ぎず、痛みの根本原因を解決できていないからです。
むしろバンドやサポーターで痛みを紛らわして運動を続けると返って症状が悪化してしまう可能性もあります。
バンド・サポーターの役割と限界

オスグッド用のバンドやサポーターは、膝のお皿の下(脛骨粗面)にかかる太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の牽引ストレスを軽減させ、一時的に痛みを和らげる効果があります。
しかし、これは「痛みが出ている部分」の負担を減らしているだけであり、以下の理由から根本的な改善にはつながりません。
- 痛みの原因の放置: 痛みを引き起こしている大腿四頭筋が過緊張してしまう根本原因を取り除いていないため、バンドを外せば痛みが再発します。
- 症状悪化のリスク: 「痛くないから」と、本来は休養や根本治療が必要な状態なのに無理に運動を続けてしまい、結果的に症状を悪化させてしまう場合があります。
根本原因は「膝」以外にある
オスグッドの痛みは単に膝の問題ではなく、大腿四頭筋に過剰な負荷をかけてしまう全身の機能的な問題が複合的に関わっています。
痛みを根本から改善するためには、硬くなった大腿四頭筋をほぐすだけでなく、過緊張を引き起こしている原因を特定し、治療する必要があります。主な根本原因の例は以下の通りです
・足部の機能低下(過去の捻挫による回内足、前脛骨筋の機能低下など)により、床からの衝撃を吸収できず膝への負荷が増大する
・股関節や膝関節のねじれ(下腿外旋・大腿内旋)、姿勢の崩れ(猫背による骨盤後傾や膝の屈曲位でのプレー)により、大腿四頭筋に過剰な負荷がかかる。
・脳機能(PMRF)の低下や、自律神経(交感神経)の過剰な優位により、筋肉のアンバランスや炎症反応の促進、痛みの閾値低下が起こる。
など
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オスグッド根本改善への道
バンドやサポーターで一時的に痛みを抑えながら運動を続けることはできますが、痛みの原因が残っている限り、オスグッドの繰り返しから抜け出すことはできません。
根本的に改善し、早期に競技復帰を果たすためには、機能解剖学や機能神経学に基づき、一人ひとりの根本原因(上記のような全身のアンバランスや機能低下)を特定し、鍼治療や整体などを組み合わせて解決していくことが重要です。
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