手のしびれに潜む怖い病気とは?

「手のしびれ」や「痛み」は、多くの人にとって「老化のせい」や「頸椎ヘルニア」で片付けられがちな症状かもしれません。

また、近年はPCやスマホの長時間使用で手のしびれや痛みを訴える方が非常に増えています。しかし、その慣れ親しんだ症状の裏側には、あなたの命や将来の生活に大きく関わる、緊急性の高い病気が潜んでいる可能性があります。

 

しかし、椎間板ヘルニアだと自己診断し、危険なサイン(レッドフラッグ)を見逃してしまう。これを専門家である私たちは最も危惧しているのです。

当院では、「手のしびれ」や「痛み」を安易に首や腕だけの問題だと決めつけず、まず「そのしびれが、すぐに病院へ行くべき危険なサインではないか?」という視点から慎重に判断します。

あなたの症状が、単なる末梢神経の圧迫ではなく、以下のような重大な中枢神経(脳や脊髄)の疾患から来ている可能性を常に念頭に置く必要があるのです。

 

  • 脳血管障害(脳出血、脳梗塞)
  • 脊髄内の炎症性疾患や腫瘍(骨髄腫、脊髄炎など)
  • 多発性硬化症
  • 心臓疾患(狭心症、心筋梗塞)

 

これらの病気は、発見が遅れると命に関わる、または重度の麻痺が残る可能性があるため、早期の専門的診断が不可欠です。

決して見逃してはいけない!命を守る「5つのレッドフラッグ」

手のしびれや痛みに加えて、以下のうち一つでも当てはまる症状がある場合は、一刻も早く病院(脳神経外科、整形外科、内科など)を受診してください。これらは、整体や鍼灸ではなく、西洋医学的な検査・治療を最優先すべきサインです。

1. 急速に進行する麻痺・感覚障害

今までは大丈夫だったのに、数時間から数日といった短期間で急激に手に力が入らなくなった、字が書けない、感覚が極端に鈍くなったなど、症状が進行している場合です。これは、脳や脊髄といった中枢神経系の問題が急激に悪化しているサインかもしれません。

2. 顔面を含む神経症状(言語・嚥下障害)

手のしびれ・痛みと同時、または前後して以下の症状が出ている場合、特に危険です。

・顔面神経麻痺(口元が歪む、目を閉じにくい)

・言語障害(ろれつが回らない、言葉が出にくい)

・嚥下(えんげ)障害(飲食物が飲み込みにくい、むせる)

 

これらは、脳幹や大脳など、脳自体に病変(脳梗塞など)が発生している可能性を示唆します。小さな脳梗塞であっても、微妙な症状から始まることがあります。

3. 膀胱直腸障害

手のしびれがある中で、排泄機能に異常が出ている場合です。

 

・排尿困難(おしっこがしたいのに出づらい)

・尿失禁(意図せずお漏らしをしてしまう)

・排便障害(便が出づらい)

 

これらの症状は、脊髄の神経が強く圧迫されている証拠です。椎間板ヘルニアの悪化や、脊髄内の腫瘍など、緊急性の高い病態が疑われます。

 

4. 体位や時間に関係ない原因不明の夜間痛

寝ていても、枕や体勢を変えても痛みが全く和らがず、一晩中続くような激しい痛みがある場合です。通常の関節や筋肉の問題による痛みは、体勢を変えることで軽減することが多いですが、何をやっても痛みが変わらない場合は、脊髄腫瘍や癌のリンパ節転移(特に左鎖骨付近)による神経圧迫など、悪性な病変の可能性も考慮しなければなりません。

5. 突然の胸の痛みと上肢への放散痛

急に胸に痛みを感じ、それが腕や手にしびれや痛みとして広がった場合(特に左側)。これは、心筋梗塞や狭心症といった重篤な心臓疾患の可能性があります。心臓の痛みが腕や肩に広がる(放散痛)現象であり、命に関わる緊急事態です。

危険な病気が除外された後の「真のしびれ」原因特定

上記のレッドフラッグがなく、病院で重大な疾患が除外された上で、しびれが続いている場合は、私たちが専門とする「末梢神経の絞扼(こうやく)」「筋・筋膜性疼痛」「姿勢の歪み」などが原因である可能性が高くなります。

 

たとえ、椎間板ヘルニアの画像所見があっても、それがしびれの原因ではなく、上記であげた3つが原因であるケースが非常に多いです。

当院では、解剖学、機能神経学などの専門知識と25年以上の臨床経験に基づいて、あなたの手のしびれの原因を正確に特定し、根本的な改善を目指す知識と技術を持っています。

 

しかし、もし少しでも先述したレッドフラッグに当てはまる、あるいは不安を感じる場合は、まず医療機関を受診してください。何よりも大切なのは、あなたの命と安全です。

 

医療機関で緊急性がないと判断された上で、「原因不明」「治療法がない」と言われた方は、ぜひ一度、土井治療院にご相談ください。

 

知識と経験に基づいた正確な判断で、あなたの症状を改善へと導きます。

土井治療院