④小殿筋過緊張による痛み

 

 

今回、紹介していく小殿筋(しょうでんきん)は「股関節の痛み(変形性股関節症)の原因③ 中殿筋過緊張による痛み」( https://doichiryouin.com/symptoms/post-3415/ ‎)の記事の中で紹介した中殿筋(ちゅうでんきん)と非常に近い場所にある筋肉であり、共通点も多く似たような症状が出ます。

まだ、そちらの記事を読まれていない方は併せてご覧になって下さい。

 

 

小殿筋が過緊張状態になると、以下のような症状が出ます。

・股関節の前側、外側が痛む。

・歩行時、足を着いた時にズキンと痛む。

・正しく歩こうとしても左右に動揺してしまう。

・股関節全体が痛む(関節包への引っ張る刺激が強い場合)

 

これらの症状で思い当たる項目が1つでもある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

「小殿筋」は①腸骨(ちょうこつ)外面から②大腿骨大転子(だいたいこつだいてんし)の外側につく筋肉です。

中殿筋(ちゅうでんきん)の深部に位置する小殿筋は、ほぼ全てが中殿筋に覆われ、その大きさは中殿筋の半分程度です。

骨盤を水平に保ち、股関節を開く、股関節を内側に捻るといった働きをするとともに、

股関節を求心位(大腿骨が骨盤から離れないようにする)に保つ役割があります。

その小殿筋が過緊張状態になると、筋肉の付着部となる大転子の辺り(股関節の外側)に痛みが出ます。

また、小殿筋は股関節の関節包(かんせつほう)にも付着しているため、小殿筋が緊張すると付着する関節包も緊張しやすくなります。

 

関節包とは、関節を包み保護する線維性、靭帯性の組織で、

大切な関節を外界から保護するため、柔軟性のある袋状の組織ですっぽりと包み込んでいます。

 

そのため、関節包が緊張すると、関節包に包まれる関節で炎症が起こり痛みに繋がるのです。

 

 

では、なぜ小殿筋が過緊張状態になるのか。

それは上半身の歪みが原因です。

 

 

実は、上半身は全体重の約70%を占めており、その上半身に歪みが起こると体のバランスが崩れ、倒れてしまうため骨盤を使ってバランスを取ろうとします。

そのため、骨盤を安定させるために小殿筋が緊張した状態が続き、次第に固まってしまうのです。

また、体のバランスが崩れると、体の中心線がずれるため、骨盤の位置もずれ、股関節が内側に入ることで股関節の外側が引き伸ばされます。

すると、股関節の外側にある小殿筋にさらに負担がかかり、股関節の外側に痛みが出てしまうというわけです。

 

 

小殿筋の過緊張を引き起こす「上半身の歪み」が起こる原因は、以下が考えられます。

 

・悪い姿勢:猫背や反り腰、脚を組む、スマホの使用による不良姿勢など。

・長時間の同じ姿勢:デスクワークや車の運転など。

・一部の筋肉を酷使する動作:日常動作の癖など。

・運動不足:使える筋肉が減り、筋力が低下することにより、骨格を支える力が弱くなる。

・ストレス:自律神経のバランスが崩れて、無意識に筋肉が緊張しやすくなる。

・PMRF機能低下:脳のPMRFという部位の機能低下が起きると左右の筋緊張のバランスが崩れる。

・前庭覚(ぜんていかく)の問題:耳の奥にあるバランス機能を司る前庭覚に問題が起こると左右の筋緊張のバランスが崩れる。

 

 

「小殿筋の過緊張」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

このパターンの股関節の痛みを改善するためには、上半身の歪みを整え、小殿筋の過緊張を改善していくことが重要となります。

 

 

1.鍼治療(はりちりょう)により自律神経のバランスを整える。

 

自律神経のバランスが崩れていると体全体の筋肉は緊張しやすく、痛みも感じやすくなります。また、自分で治す力(自然治癒力)も下がります。自律神経のバランスが乱れたまま股関節周りにいくらアプローチしても、なかなか痛みが改善しなかったり、また再発を繰り返します。

まずは、鍼治療(はりちりょう)による全身の自律神経バランスを整え、治りやすい体を作っていきます。

 

2.上半身の歪みを整える。

 

上半身の歪みの原因は上記で上げた通り様々です。そのため、一つの治療法では改善が難しいため、当院ではその患者さんに合わせた整体法を複数の整体法から選択して治療を行います。

例えば、脊柱の動きが問題である場合は脊柱の動きを出す整体を行う。前庭覚が問題である場合は頭の整体を行ったり、とその人の上半身の歪みの原因となるものによって整体法を変えて行います。

 

3.小殿筋を緩める。

 

小殿筋は中殿筋の奥にある筋肉であるため、しっかりとした解剖学の知識がないと触診が難しい筋肉です。

しかし、痛みの原因が小殿筋にあるのか、中殿筋なのか、ここを明確にすることができなければ改善に導くことはできません。

当院では年間200時間以上研修に費やしてスタッフの技術向上に取り組んでいるため、触診が難しい小殿筋もピンポイントで捉え、緩めることが可能です。

 

また、小殿筋が硬いからと言っていきなり緩めると、歪んだ上半身を支えるために緊張しているため、すぐに痛みは戻る、もしくは痛みが強くなってしまうことがあります。

根本改善には、自律神経のバランスを整え、上半身の歪みを改善。その後、小殿筋を緩めるという順で整体法を行うことが、とても重要になります。ちなみに、小殿筋が緊張した生活を長い間送っているとその状態を脳が覚えてしまいます。こうなると、上半身の歪みを整えて小殿筋を緩めても、再び小殿筋は硬くなってしまうことがあります。これを改善するためには脳と神経にアプローチする特殊な整体法を行っていく必要があります。

 

 

ここまで見てきたように、股関節の痛みといってもその原因は多種多様です。当院のように多種多様な視点からアプローチできる治療院は多くありません。

 

今まで沢山の病院や治療院に行ってみたけど痛みが改善しなかったという方でも、もう心配はいりません。

諦めないで、ぜひ一度、土井治療院にご来院下さい。

土井治療院