⑨腰椎前弯過多(ようついぜんわんかた)による股関節の負担増大による痛み

 

 

腰椎前弯過多とは、簡単に言うと「反り腰」の状態です。

 

今回お伝えしていく「腰椎(ようつい)」は、背骨を構成する骨の一つです。

背骨は細かく分かれており、その一つひとつを椎骨(ついこつ)と呼び、腰部にある椎骨を腰椎と呼びます。この腰椎が過度に前弯(前に曲がる)してしまっていると、股関節を曲げる動きに影響が出てくるのです。

 

私たちの生活では、この股関節を曲げる場面が多くあります。例えば、歩いたり走ったりする時や、物を拾おうと屈む時、階段を上る時などがイメージしやすいと思います。

また、スポーツでも「サッカーでボールを蹴ろうと足を振り切る時」や、「野球でボールを投げる時」にも股関節を曲げています。

 

ただ、この動きは本来、股関節だけでは90°程度までしか曲がらないのですが

「腰椎」も連動して後弯する(後ろに曲がる)ことで動きがスムーズになり、股関節を90°以上曲げることが可能になるのです。

 

しかし、股関節を曲げる時に腰椎が極端に前弯し固まっている場合、つまり腰椎前湾過多になると股関節だけで無理に曲げようとするため、股関節の負担が増え、痛みを引き起こしてしまうのです。

 

 

この腰椎前湾過多による痛みは、以下のような動作時に症状が出ます。

 

・物を拾う時に痛みが出る。

・足を上げた時に痛みが出る。

・階段を上る時に痛みが出る。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

 

では、なぜ腰椎の前弯過多が起こってしまうのか。

それは、自律神経が乱れ交感神経が過緊張状態になると、筋肉が過緊張を起こすためです。

 

この状態で過緊張する主な筋肉として、

背中にある広背筋(こうはいきん)や脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、腰椎の前側に付着する大腰筋(だいようきん)などが挙げられます。

これらの筋肉が過緊張を起こすと、腰椎が過度に前弯した状態になるのです。

 

では、なぜ自律神経が乱れ交感神経が過緊張状態になるのか?

その原因は、主に下記のことが考えられます。

・パソコンやタブレット、携帯電話などのデジタルデバイスから出る可視光線の影響

・運動不足

・日常のストレス

・寝不足、生活リズムの乱れ

・加齢(年齢を重なると徐々に交感神経優位になりやすくなる)

 

このほか、自律神経とは関係なく生まれついた骨格が原因で腰椎が前弯してしまう方もいます。その場合は、自律神経以外にアプローチをしていく必要があります。

 

 

しかし、これらをお伝えしても自分の腰椎が前弯しているかどうか、わからないという方がほとんどだと思います。

そこで、簡単なチェック法があります。(右図参照)

まず、仰向けで寝た状態で、膝を曲げ自分の胸に届くように大きく股関節を曲げていきます。その際、膝が胸まで届くか。また、腰が床から離れていないかをチェックします。

もし、膝が胸まで届かず、腰が床から離れた状態となっていたら、腰椎が前弯していると言えます。

 

本来、股関節と腰椎の動きが連動することで股関節の可動域が広がりますが、

逆に、股関節と腰椎の動きが連動していない場合、股関節の可動域は狭くなり、股関節だけで無理に動かそうとするため、過度な負担がかかり痛みが出てしまうというわけです。

 

 

「腰椎前弯過多による股関節の負担増大」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

1.自律神経のバランスを整えるために手足末端のツボに鍼治療をしていく。

 

硬くなった筋肉に鍼をしたり、揉みほぐしたりしても交感神経優位の体が筋肉を硬くしているため、その場は楽になってもすぐに戻ってしまいます。

根本改善をするには、手足末端のツボを用いた鍼治療を行い、自律神経のバランスを整えていきます。この時に使用する鍼は、とても細く小さな鍼なので打たれたかわからないくらい、ソフトな刺激です。

 

2.大腰筋を緩める特殊な整体法を行う。

 

大腰筋が過緊張を起こしていると、腰椎を前側へ引っ張ってしまう力が強く働くため、腰椎前弯、骨盤前傾姿勢が強くなり、股関節への負担は増大します。

大腰筋は深層にある筋肉なので背中側からは触れることができません。そのため、お腹側から緩ませていく必要がありますが、触診するのがとても難しい部位です。しかし、当院では週に1回診療時間を削って技術研修を行っているため、この特殊な整体法をどのスタッフも行うことが可能です。

 

3.脳が記憶してしまった股関節周辺の筋肉のアンバランスを整える脳神経促通療法を行っていく。

 

交感神経優位状態が続くと、脊柱起立筋は過緊張を起こし中殿筋は弱化するなど、股関節周囲の筋肉のバランスが悪くなってきます。この状態が数カ月続くと脳がその状態を記憶してしまう(脳の可塑性)ため、

いくら自律神経のバランスが整えても改善せず、股関節周囲の筋肉のアンバランスはそのまま持続することになります。この状態を改善するためには、脳神経促通療法という特殊な整体法を用いて、股関節周囲の筋バランスを整えていきます。

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「腰椎前弯過多による股関節の負担増大」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院