⑬LIFT(リフト)の牽引(けんいん)による痛み

 

 

「LIFT」とは腰方形筋(ようほうけいきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)、腹筋群⦅内腹斜筋(ないふくしゃきん)、外腹斜筋(がいふくしゃきん)、腹横筋(ふくおうきん)⦆が交差する部分のことを指します。

 

体中にある「筋肉の働き」は、普段私たちが生活する際に行う「立つ」「座る」「歩く」などの動作には必要不可欠なものです。

筋肉は本来縮むことによって力を発揮しますが、その際、筋肉同士が擦れ合わないよう、筋肉の周りは「筋膜(きんまく)」と言うタンパク質の線維でできた伸縮性のある薄い膜によって包まれています。

 

この筋膜は、主に以下のような働きをします。

筋肉を保護する作用、筋肉が収縮する時の滑りを助ける作用があり、身体全体にはりめぐらされた筋膜同士が繋がることによって、筋肉がそれぞれの場所に適正に位置するよう支えています。

 

しかし、筋膜同士の滑りが悪くなりLIFTで筋膜の癒着(ゆちゃく:くっついてしまうこと)が起こると、その部分が牽引(けんいん:ひっぱること)され、股関節の痛みへと繋がっていくのです。

 

 

LIFTの牽引があると以下のような症状が出ます。

・腰の脇から股関節にかけて痛む。

・前屈すると腰と股関節が痛む。

・長時間座っていると腰、股関節が痛む。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

 

では、なぜLIFTで癒着が起き、牽引されるのか。

 

一番の大きな要因は「骨盤が後傾した状態」になることです。

骨盤が後傾することで腰が丸まった状態となり、腰部にある腰方形筋(ようほうけいきん)が引き伸ばされ、次第に固まってしまいます。

 

 

先程説明しましたが、「腰方形筋」はLIFTを構成するため、腰方形筋が動かなくなることでLIFT部分での動きも少なくなり、癒着が起きLIFTが牽引されてしまうのです。

すると、同じくLIFTを構成する「内腹斜筋」も牽引されることになり、内腹斜筋が付く股関節も引っ張られ負荷が増えることで痛みが出てくるというわけです。

 

ではなぜ、骨盤の後傾が起きるのか。

それは、普段の生活で、

・座っている時間が長い。

・座り方が悪い。(背中にもたれかかって座る。)

・デスクワーク中心で、同じ姿勢でずっとパソコンを見ている。

・携帯電話をよくいじる。

 

こうした生活習慣があると、背中、腰が丸まりやすく、骨盤は後傾してくるのです。

 

 

「LIFT(リフト)の牽引による痛み」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

今回のケースの股関節の痛みを改善するためには、骨盤の後傾を正し、腰方形筋が引き伸ばされる状態を改善することが必要です。

 

1.鍼治療によりLIFT周辺の筋肉を緩ます

LIFTに関わる腰方形筋や腸肋筋が過緊張しているとLIFTが癒着しやすくなるため、鍼治療でLIFTに関わる筋肉を緩めていきます。当院が行う鍼治療は筋肉に直接鍼を打つのではなく、頭や手足末端にあるツボを刺激し、脳の反射を使って筋肉を緩ませていきます。

 

2.LIFTの滑走を良くするための整体法を行っていく

LIFTの滑走が悪くなった部位はしっかりと触診すればわかります。その部位を的確に捉えLIFTの滑走性を促すことによって腰痛・股関節痛の改善につながります。

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「LIFT(リフト)の牽引」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院