⑮椎間関節性腰痛の放散痛による痛み

 

 

「股関節の痛みなのに、なんで腰痛?」と思った方も多いのではないでしょうか。

実は、椎間関節性腰痛があると、「放散痛」と言って痛めている部位とは離れたところに痛みが起きることがあり、股関節の前側にも痛みを出すのです。

 

 

椎間関節性腰痛の放散痛がある場合、以下のような症状が出ます。

・股関節の前側または中の方が痛む感じがする。

・太ももの外側に痛みやしびれが出る。

・股関節以外の膝や足首にも痛みが出る。

 

これらの症状で1つでも思い当たる項目がある方は、ぜひ続きをご覧になって下さい。

 

 

まず、椎間関節性腰痛について説明していきます。

 

背骨(脊柱)は椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨一つひとつが積み重なってできており、頸部(けいぶ:首の部分)にある椎骨を頸椎(けいつい)、胸部にある椎骨を胸椎(きょうつい)、腰部にある椎骨を腰椎(ようつい)と呼びます。

 

 

その椎骨と椎骨の間にはクッションの役割を果たす「椎間板(ついかんばん)」と、後方に椎骨同士を繋ぐ「椎間関節」があります。

椎間関節は、体を前後左右に動かしたり、捻じったりする時に重要な役割を果たします。しかし、ここに過度な圧迫ストレスが加わると痛みが出てくるのです。

 

この痛みは、

脊柱にある侵害受容器(しんがいじゅようき)という体の状態を情報として脳へ送る感覚受容器が、圧迫ストレスを受けることで、脳が危険と判断し痛みを出すのです。

 

また、この過度な圧迫ストレスが加わった状態で動くと、椎間関節の周りにある靭帯が引き伸ばされ「捻挫」の状態となり、炎症が起こることで痛みを出す場合もあるのです。

 

 

では、なぜ椎間関節性腰痛の要因となる、椎間関節に圧迫ストレスがかかるのか。

それには以下の様なことが原因として考えられます。

・悪い姿勢でのデスクワーク

・中腰での作業

・自律神経が乱れによる体の過緊張状態

 

 

では、これらが原因で起こる椎間関節性腰痛が、なぜ股関節の痛みへとつながっていくのでしょうか。

 

それは、「痛み」が電気信号として神経を伝わっていくからです。

神経は枝分かれをしながら、体全体に張り巡らされていますが、

「椎間関節にいく神経の枝」と「股関節にいく神経の枝」はスタート部分が同じで、近い位置でお互い繋がっているのです。そのため、椎間関節で起こった痛みが電気信号として神経を伝わり、股関節の方へと波及することで痛みを出してしまうというわけです。

このように、実際に痛みを起こしている部位とは離れた部位に発生する痛みを「放散痛」と呼びます。

 

 

「椎間関節性腰痛による放散痛」に対しての土井治療院のアプローチ法

 

このパターンの股関節の痛みを改善するためには、椎間関節に負担のかかる状態を改善していくことが重要なポイントとなります。

 

1.鍼治療により交感神経過緊張状態を緩和し、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、広背筋(こうはいきん)などの、背中にある筋肉の過緊張を改善し、椎間関節にかかる負担を減らす。

 

自律神経の交感神経が過緊張状態であると、背中側の筋肉である脊柱起立筋や広背筋が過緊張を起こし、椎間関節に圧迫ストレスが加わることで椎間関節性腰痛を引き起こします。自律神経のバランスを整えるツボに鍼治療をすることで交感神経の過緊張を抑制し、脊柱起立筋や広背筋の緊張を和らげていきます。

 

2.整体治療による椎間関節にかかる負荷を減らす。

 

普段の不良姿勢や交感神経過緊張状態による筋肉の過緊張状態が長く続くと、脳がその状態を覚えてしまい常に椎間関節に負担のかかる状態になってしまいます。整体治療で不良姿勢と自律神経を整え、椎間関節に負担のかからない体に戻していきます。

 

 

これまで触れてきた通り、股関節の痛みは17パターンありますが、多くの整骨院や整体院ではそこまで細かく部類分けができません。それは股関節に対しての専門的な知識が薄いからです。

また、上記で挙げたように「椎間関節性腰痛の放散痛」による股関節の痛みに対するアプローチも当院では様々な角度からアプローチをしています。

 

股関節の細かな解剖学の知識や治療法を得るためには非常に時間がかかりますが、当院では年間200時間以上かけて行う技術研修で培った高い技術で、股関節の痛みを根本から改善していきます。

 

これまで様々な整形外科、接骨院を受診しても治らないという方は是非一度土井治療院にご相談ください。

土井治療院