緑内障におけるスマートフォン使用のリスク

 

 

現代社会においてスマートフォンの機能が増えたことによって、私たちの暮らしは大変便利になりました。

スマートフォンさえあれば、移動中に何処でも簡単に検索をしたり、SNSをチェックしたり、友人と連絡することができます。写真を撮ったり、映画や動画、番組などを見たり、ゲームをすることもでき、様々な情報を得ることができるため、一日中スマートフォンを手放せない方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、この様にスマートフォンに触れる機会が圧倒的に増えたことで、常に視覚を使い続ける生活へと変化し、目にかかる負担はどんどん大きくなっています。

 

 

では、これだけ目を酷使するようになった現代の生活環境において、スマートフォンを使い続けることが緑内障に与える影響には、どのようなものがあるのでしょうか。また、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

 

 

スマートフォンが目に与える光の影響

 

現在はスマートフォンの他にもパソコンやテレビ、タブレット端末、携帯ゲーム機など、様々なデジタルデバイスがあります。これらのモニター画面は、小さな光の点の集合でできています。パッと見て滑らかな線であっても、ごく小さな光が1秒間に数十回も点滅することで、画像を作り出しているのです。

 

つまり、モニター画面を見ている時に私たちの視神経は、点滅する光の刺激に晒されており、視神経や情報を受け取る脳にとっても大きな負担となります。

スマートフォンやパソコンを長時間使用した後に、目がショボショボしたり、目を閉じてもギラギラする感覚が残ったりするのはこのためです。

 

しかし、構わず使用を続けていると、やがて眼精疲労からドライアイや視力低下、頭痛、肩凝り、吐き気などの全身症状に繋がり、緑内障を悪化させる要因となるのです。

 

 

就寝前のスマートフォンの使用は特に注意!

 

ただでさえ目に負担をかけるスマートフォンですが、特に注意しなければならないのは就寝前に寝ながら見ることです。

なぜ就寝前にスマートフォンを見ない方がいいのか。

 

それは、スマートフォンは座って見るよりも寝ながら見る方が眼圧は上がってしまうからです。また、暗い所でスマートフォンを見ると、より眼圧が上がってしまうこともわかっています。

 

暗い所では、光をたくさん取り込もうとして瞳孔(どうこう)が開きます。この瞳孔の調整を行っているのが虹彩(こうさい)です。虹彩が縮み、厚くなることで瞳孔が開き、光をより多く取り込むことができるのです。

しかし、虹彩が厚くなることで近くに位置する隅角(ぐうかく)が狭くなってしまいます。

毛様体(もうようたい)で作られた房水は眼球内を循環して栄養を供給、老廃物を除去し、隅角で排水されていくため、房水の排水口の役割を果たしている隅角が狭くなることで房水の流れが妨げられ、眼圧が上がってしまうのです。

スマートフォンの使用に限らず、本を読んだり、細かい作業をしたりする時は、手元や部屋を十分に明るくすることが大事です。

 

 

スマートフォンから出るブルーライトが生活リズムを崩す

 

さらに、スマートフォンから出ている「ブルーライト」という光が与える影響も問題になります。

 

ブルーライトカット機能の付いたメガネなども出ているので、「ブルーライト」をネガティブなものとして捉える方も多いと思いますが、実はブルーライト自体は必ずしも身体に悪いものというわけではありません。このブルーライトを夜に浴びることが問題なのです。

 

ブルーライトについて、もう少し詳しく説明していきます。

ブルーライトは可視光線と紫外線の境目に挟んだ380~500㎚の波長の青色光のことで、実は太陽光にも含まれています。

本来、ブルーライトを朝浴びることで1日の身体のリズムをつくり、この作用によって身体から「メラトニン」というホルモンが分泌され、夜に深い睡眠をとることができるのです。

しかし、長く浴び続けると、角膜や網膜が傷んでしまう可能性があるうえ、寝る直前にスマートフォンを見ると、脳は朝だと勘違いして覚醒し、体内リズムが崩れ睡眠の質が下がることに繋がるのです。

これは、緑内障にとっても体調にとっても良いことではありません。

 

 

通勤・通学中のスマホは特に注意が必要

 

また、通勤・通学中にスマートフォンをいじる方が多いと思いますが、夢中になってうつむいた姿勢を取り続けていませんか?

顔が下を向くと、水晶体が下を向くことになります。つまり、目が前方に向かって落ち、虹彩を前方に押し出すため、隅角を狭くし房水の流れを悪くしてしまうのです。そのため、長時間うつむいた姿勢でいることは眼圧を上げてしまうことに繋がるのです。

 

手元の作業をする時も、うつむいた姿勢にならないよう椅子や机を調節し、背筋が曲がらないよう注意しましょう。また、時々目を閉じて上を向き休憩することも必要です。

 

 

 

 

 

 

ここまでの説明で、普段当たり前のようにやっていることが、実は緑内障の進行に影響を与えているとご理解頂けたと思います。

 

スマートフォンなどのデジタルデバイスの使用を止めれば、こうしたリスクは抑えられるでしょう。しかし、現代においてスマートフォンの使用を一切止める、というのは現実的ではありません。

 

だからこそ、緑内障を悪化させないためには、うつむき姿勢でなるべくいない、スマートフォンを見る時間を可能な限り減らす、明るい環境下でものを見るようにする、など自分でできる行動をとることが必要になってきます。

 

日常の小さなことに意識を持つだけでも、今ある緑内障の症状を悪化させないことに繋がっていくので、正しい知識を取り入れて、日々の生活で気を付けていきましょう。

土井治療院