関節リウマチの診断方法

関節リウマチは、たった一つの検査結果から診断される訳ではありません。

血液検査、尿検査、画像検査などそれぞれの項目を総合的に判断し、診断されます。

血液検査

主な検査項目

関節リウマチの患者さんの約80%が、リウマトイド因子(RF)に陽性が出ます。

残り約20%の陰性の患者さんについても、抗CCP抗体、MMP3、免疫グロブリンの数値を使い、更に詳しい診断が行われます。

・リウマトイド因子(RF)

IgGというたんぱく質に対する抗体でリウマチの炎症に関係する。

・抗シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)

リウマチの診断に有用性が高い検査法。陽性だとリウマチである可能性が高くなる。また、リウマチの進行度、骨破壊度の予測因子にも用いられる。

・マトリックスメタトロプロテアーゼ(MMP)

軟骨を構成する成分を壊してしまうたんぱく質。関節内の炎症が強いと増加する。

・免疫グロブリン

IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つに分類される。血液や体液中に存在し、抗体としての機能と構造を持つたんぱく質の総称。

炎症の強さ

C反応性タンパク質(CRP)は、炎症の強さを判断する重要な指標となります。また治療効果の判断にも使用されます。

ESRも同様に炎症の靭さの目安になります。

・C反応性タンパク(CRP)

肝臓で作られるたんぱく質。体に炎症が起こると増加するため、炎症の程度を知るための指標となる。

・赤血球沈降速度、血沈、赤沈(ESR)

細い血管の中で赤血球が沈む速度。体の炎症が強い場合この数値が高くなる。

その他の項目

リウマチの患者さんは貧血を起こしやすくなります。貧血になると一般的に赤血球数、ヘマトクリット値(Ht)、ヘモグロビン値(HB)、血小板数が減少します。

 尿検査

リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなるため、尿検査が行われます。

・尿蛋白

尿中に、たんぱく質が出ていないかどうかを調べる。

・尿沈渣

赤血球や白血球が尿中に含まれていないかを調べる。

薬の副作用や合併症のチェックも可能となる。

画像検査

レントゲン検査、CT検査、MRI検査、超音波検査などがあり、腫れや痛みを起こしている関節を検査します。

ただし、リウマチの初期ではあまり関節の変化が見られないことから、レントゲン検査では診断しかねるケースがあります。

その場合は、CT検査や超音波を行います。

また、早期診断のためにMRI検査が活用されているところもあります。

土井治療院