関節リウマチの患者さんが併発しやすい手の症状について【腱鞘炎・ばね指編】

今回は関節リウマチの患者さんの多くが訴える症状『手のこわばり』について詳しく解説を行っていきます。

 

関節リウマチの患者さんの中には、手が動かしにくくなる「腱鞘炎」や「ばね指」を併発している人が非常に多くおられます。

まず先に、この手の組織について簡単に説明をしていきます。

●「腱」

骨に筋肉を付着させるヒモの事を腱と呼びます。アキレス腱などは皆さんも分かりやすくイメージしやすいでしょう。

筋肉とは違い少し硬い組織になります。

●「腱鞘」

腱鞘とは腱をトンネル状に包んでいる筒のようなものです。この筒の中を腱が通り筋肉を動かしています。

これを踏まえた上で腱鞘炎とばね指の痛みの原因を解説していくと

一般的には筋肉と骨を結びつけている「腱」と腱を通るトンネル部分「腱鞘」が手の使いすぎによって擦れあって炎症を起こすことを「腱鞘炎」と呼び

腱鞘炎が手の指で起こる事を「ばね指」と言います。

腱鞘炎・ばね指の原因は?

一般的に原因は手の使いすぎと言われており、スポーツや指を良く使う仕事の人に多いのが特徴です。

また、更年期の女性、妊娠出産期の女性にも多く生じます。

更年期に指の関節が痛くなるのは、その時期に女性ホルモンの「エストロゲン」が急激に減少することが影響していると考えられます。

ここではさらに、なぜ更年期の女性に多く発症するのか、エストロゲンの役割と共に詳しく解説します。

エストロゲンはエストロゲン受容体と結合することによって作用します。

エストロゲン受容器には「α受容体」と「β受容体」の2種類があり

子宮、卵巣、乳腺、腎臓副腎に多く存在するα受容体

骨、脳、肝臓、前立腺、血管壁、肺、甲状腺、膀胱に多く存在するβ受容体があります。

β受容体は他にも関節包、腱鞘、靭帯、滑膜に存在し、エストロゲンと結合することで関節の動きを良くするコラーゲンの生成にも大きく関わっています。

そのため、

更年期の女性は、エストロゲンが減少してエストロゲンβ受容体と結合できず、コラーゲンが生成されないことで関節の動きを悪くし、その結果軟骨のすり減りや関節の腫れや痛みを引き起こすというわけです。

腱鞘炎・ばね指の症状は?

・腱鞘炎

エストロゲンが減少することでコラーゲンの生成が行われず、軟骨がすり減って関節の腫れや痛みを引き起こします。関節の動きが悪くなり筋肉の神経の伝達異常が起こり指の筋肉にこわばりが起きます。

・ばね指

腱鞘は腱が浮き上がらないように腱を抑える役割があります。この機能があることで指をスムーズに動かすことができますが、腱と腱鞘の間に炎症が起こると指の動きが悪くなります。動きが悪くなった部分を通過する際に急に指が伸びるのが特徴です。

ばね指の症状は他にも

・指の曲げ伸ばしをした際にカクッと引っかかる感じがする。

・曲げた指を反対の手で伸ばさないと動かせない。

・指の関節に腫れや熱感が出現し、押すと痛い。

・朝方に強く症状が出て昼間以降に軽快してくる。

これらの症状があります。

○エストロゲンと関節リウマチとの関係は? 

実は、先ほど説明した更年期の時に減少する「エストロゲン」このエストロゲンは関節リウマチともとても関連が深いホルモンなんです。

エストロゲンは抗炎症作用があり痛みを軽減させる働きがあります。更年期の方はエストロゲンの分泌量が低下するので関節リウマチの症状が強くなったり、疲れやすさや身体のだるさに影響してきます。(※生理前に関節の痛みが強くなるのもエストロゲンの減少が関係していると言われています)

腱鞘炎・ばね指の一般的な病院での治療

病院での治療には大きく3つのやり方があります。

1.指の装具を使って強制的に指の動きを抑える装具療法。

2.指の炎症を抑えるためのステロイド注射。

3.痛みの原因になっている腱鞘の部分を切り離す手術療法

病院ではこれら3つの治療が主に行われています。

手術を行う場合は腱鞘を切ったらすぐに指がスムーズに動かせるようになる訳ではなく、幾らかのリハビリ期間が必要になってきます。

土井治療院での治療

土井治療院ではまず、痛みの原因となっているエストロゲンの分泌を正常に戻す施術を行います。

これには鍼治療を行い、自律神経のバランスを整えることで正常な分泌を促します。

次に、腱鞘炎・ばね指で痛みが生じる「腱」、「腱鞘」の動きを正していきます。

当院では神経筋無痛整体法という当院独自の特殊な整体法を行なっていきます。

神経筋無痛整体法は硬い組織をほぐすのではなく「腱」、「腱鞘」に付着している筋肉を活性化させます。これにより「腱」、「腱鞘」の動きが良くなり腱鞘炎・ばね指が改善していくのです。

以上、関節リウマチの患者さんが併発しやすい手の症状について説明をさせて頂きました。

いかがだったでしょうか

当院では関節リウマチによる手のこわばり、腱鞘炎、バネ指など手の症状の患者さんも多く来院されています。

病院でお薬だけの治療に違和感を覚える。

動かない関節が増えて不安を感じる。

これらの想いを払拭し、身体の不調を改善して痛みのない人生を過ごしたいと思っている方は一度土井治療院へご来院ください。

土井治療院