関節リウマチ お薬(メトトレキサート)の副作用による骨髄障害について

関節リウマチのアンカードラッグであるメトトレキサート。

メトトレキサートの服薬量が増えてくると副作用に骨髄障害が出現します。頻度は多くないとはいえ、骨髄障害は重症になると命に関わる関わる危険性もあります。そのため後で述べる危険因子を考慮した上での服薬が重要になります。

そもそも骨髄障害とは?

メトトレキサートの影響により血液の生産量が下がり、血中の赤血球、白血球、血小板の数が減ることです。

具体的な症状は以下のようになります。

赤血球減少

赤血球が少なくなると赤血球によって体中に運搬される酸素量も減少します。そのため臓器が酸素不足になり手足の冷え感、顔色が悪くなる、めまい、息切れなどが現れます。

白血球減少

白血球にはいくつか種類がありますが、好中球の検査値を指標にします。白血球は細菌などの侵入物(病原体)をやっつけてくれます。白血球が少なくなると病原体に対する防衛ができなくなり感染症にかかりやすくなります。

発熱、ふるえ、咳、口内炎、腹痛、下痢、排尿時痛などの症状が出現します。

血小板減少

血小板は血液の止血にとても大切な役割をしています。血小板が少なくなるとあざができやすい、鼻血、歯磨き時の出血、目の充血が起こりやすくなります。

骨髄障害を起こす危険因子

腎機能障害

メトトレキサートは8090%は腎臓から尿から排出されるため腎不全、透析の方の場合に危険な骨髄障害をきたす可能性があります。

高齢(70歳以上)

高齢者の場合は潜在的に腎機能障害を患っている方が多く、また十分な水分補給がされず、脱水を引き起こしやすいためメトトレキサートの血中濃度が中毒量に達することがあります。

葉酸欠乏

口内炎や抹消血液検査でMCV(赤血球1個の大きさ)の上昇は葉酸欠乏症を示し、骨髄障害を疑う所見になります。

多量の薬剤の服薬(5剤以上)

痛み止めの過剰摂取が骨髄障害を招く可能性もあります。

低アルブミン血症

メトトレキサートの4060%は血中でアルブミンと結合しています。そのため低アルブミン血症の方は遊離したメトトレキサートが増え、骨髄の毒性を高めてしまいます。

低アルブミン血症とは・・・アルブミンは肝臓で作られ、外部からの物質の分解を行います。肝臓の機能が低下してしまうとアルブミンの生成がされにくくなり外部からの物質の分解ができなくなります。主な症状は「むくみ」などがあります。

脱水(発熱、摂食不良、嘔吐・下痢、熱中症など)

猛暑の中で水分量が不足したり、嘔吐・下痢により脱水状態にある時は尿量が少なくなります。腎臓からの排泄量が少なくなり、メトトレキサートの血中濃度が高くなり、副作用のリスクが高くなります。

これらの症状がある方は事前に主治医の先生や薬剤師の先生にあらかじめ相談をしましょう。

副作用(骨髄障害)の予防に大切なことに大切なこと

メトトレキサートの服薬量の間違いによる過剰投与を防ぐことが1番重要になります。主治医の先生や薬剤師の先生と常に連携を取り自分の体調の変化を把握してください。ご自身でも気付きやすい症状は口内炎や脱水症状ですのでこれらの症状には注意が必要です。かすかな体調の変化にも気を配り未然に副作用防ぐことが重要になります。

今回は「骨髄障害」という聞きなれない病状のお話でした。

いかがだったでしょうか?

上記でも述べたように頻度は多くありませんが命にも関わる非常に危険な副作用です。副作用です。

関節リウマチの薬物療法は服薬期間が長くなり、寛解状態になるまで様々な副作用が出てきます。適切な治療を受けるためにもご自身の体調の変化には充分気にかけてください。

関節リウマチの薬物療法は服薬期間が長くなり、寛解状態になるまで様々な副作用が出てきます。適切な治療を受けるためにもご自身の体調の変化には充分気にかけてください。

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