関節リウマチの患者さんでも妊娠することは可能です。
ただし、服薬するお薬の飲み方に注意が必要になります。
今回の記事はこれまでの医学会の研究や動物実験のデータから妊娠時の注意点をまとめました。
妊娠中にどのお薬なら安心して使えるかは専門的な判断が必要になります。
妊娠を希望する場合はかかりつけのお医者さんに必ず相談してください。
赤ちゃんに対する治療薬の影響
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
ドラッグストアでも販売されている痛み止めの薬です。ロキソニンやボルタレンがこれに当てはまります。
妊娠後期(28週以降)に飲むことで赤ちゃんの動脈管と呼ばれる血管を閉じてしまう副作用があります。なので妊娠後期には非ステロイド性抗炎症薬は飲めません。
ステロイド薬
炎症を抑える作用があります。さまざまな病気に対して効果があります。体の症状に合わせて外用薬(塗り薬)や注射薬として使われます。
関節リウマチの場合は飲み薬として使うことが多いです。
多量の服薬で赤ちゃんの先天異常を引き起こす報告がされています。関節リウマチの場合に使用する量はそこまで多くはないので赤ちゃんに対してのリスクは低いと言われています。
実際に妊娠中に使用されることもあり、関節リウマチの症状を抑えて出産するための役に立っています。
メトトレキサート
関節リウマチの患者さんのほとんどが飲まれている薬です。メトトレキサートを使用している期間に妊娠することで流産や先天異常が多くなると言われています。なので妊娠3ヶ月以上前からメトトレキサートの中止が勧められています。
妊娠を希望していて、メトトレキサートを処方されている場合は主治医の先生に相談してみてください。
また男性でも同様に、メトトレキサートを飲んでいる場合は妊娠の3ヶ月以上前から中止することが勧められています。
生物学的製材
生物学的製材は抗体(白血球が作り出す免疫の一部を担う物質)をもとにして作られた薬です。一般に抗体はお母さんの体から赤ちゃんに移行します。なので妊娠中に生物学的製剤を使用すると、赤ちゃんの発達に影響を与える可能性があります。
生物学的製剤の中でもエタネルセプト、セトリズマブペゴルは薬の構造上赤ちゃんに移行しにくいと考えられており、妊娠中も使用されることがあります。
妊娠希望の場合はまずかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
関節リウマチは免疫細胞の異常が原因の病気です。薬の影響以外にも体の中で作られる異常な抗体が赤ちゃんに影響することもあります。
人間の体を攻撃する抗体を自己抗体と呼びます。自己抗体の一つである「抗SS-A抗体」は赤ちゃんに移行することで1%程度の頻度ですが赤ちゃんの不整脈を誘発することが分かっっています。
関節リウマチが寛解している状態なら赤ちゃんへの影響はありませんので安心してください。
関節リウマチの治療中に妊娠したい、したかもしれないと思った時はまずは主治医の先生に相談をしてみるのが良いでしょう。
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